アポイ岳フォーラム「花の山アポイ保全再生」

 道新ホールで行われたフォーラムに参加しました。このフォーラムは、貴重な地質や固有の高山植物など豊かな生態系を持つ日高管内様似町のアポイ岳が2015年9月にユネスコ世界ジオパークに認定されたことを記念して行われたフォーラムです。基調講演をした植物写真家いがりまさしさんは、「有害な金属が多く含まれる超塩基性岩と呼ばれるかんらん岩によって普通の植物は育たずに特殊な植物のみが生き残り、そこにしかない美しい花が咲く。代表例としてオオバキスミレの仲間のエゾキスミレが挙げられる。本来は湿り気のある土地を好んで自生するこの植物がアポイ岳では乾燥した岩場で確認されていて理由は不明だ。アポイ岳はまだ知らないことだらけでその魅力は尽きない。」と話しました。後半は専門家・愛好家によるセッションミーティングがありました。道総研の西川洋子さんはヒダカソウの危機について報告しました。1990年代に大量盗掘の被害を受けたヒダカソウは盗掘がほぼなくなった今日においても減少をつづけていて、一因として地球温暖化によるクマザサの生息域拡大があるそうです。静岡大特任教授の増沢武弘さんは様似町やファンクラブ、地元の子供たちの活動について報告しました。町では中学生が自宅で育てた高山植物の苗を山に植える事業を行っていて、子供たちに自然を愛する心を養っています。今回のフォーラムではアポイ岳の現状と課題を知ることができました。

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